「マンガでなれる?WEBデザイナー講座」を始めた理由

マンガでなれる?Webデザイナー講座」を始めた理由について少し書いておきます。

時代は変わった

以前は自宅サーバー等インフラ系の事を書くことが多かったのですが、クラウドの方が遙かに便利になってしまったので、こんな記事は徐々に必要がなくなっていくと思っていました。ただ、クラウドの時代になってもインフラの基本的な知識は必要なので、この Web サイトをどうするかで迷っていました。

自分の場合は Web アプリを基本的に一人で作っているのですが、最近、Web アプリの作り方が大きく変わってきていると感じていました。例えば、Adobe が OSS のエディター Brackets を公開し、Microsoft が Mac や Linux でも動作する OSS のエディター Visual Studio Code を公開しました。Dreamweaver を販売している Adobe が、無料で Brackets を公開するのは普通ではあり得ないことです。また、Microsoft が Mac や Linux の開発ツールを公開するのは以前だったら考えられなかったことです。それなのになぜ公開するのか?を考えてみればいいと思います。

「マンガ でなれる?WEBデザイナー講座」の「ベクターで作るWebデザイン編」で取り上げているように、PCの他にスマートフォン、タブレット色々なデバイスが 増えて、WEBデザイナー、WEB制作者は多種多様なデバイスに対応する必要が出てきたので、Photoshop でデザインをしたのでは効率良く制作できなくなってきているし、Html5, CSS3 によって画像を使わなくてもコードだけで十分にレイアウトのデザインができるようになったというのが1つの要因ですが、もっと根本的な要因があります。

ワイヤーフレーム・カンプからプロトタイプへ

Web サイトの制作フローは、業者によって違いはあると思いますが、委託制作の場合には左の図のようなフローの所が多いと思います。制作フローについて詳しく解説したものは結構あると思いますが、デザイン部分だけを考えても、Web制作のフロー様々なスクリーンサイズがあるので、それぞれのサイズに対応するデザインカンプを作成していたのでは時間と手間がかかりすぎるので、インブラウザデザインの時代になってきています。

JavaScript を多用する必要があるタイプの Webサイトでは、このような制作フローで作成していたのでは、さらに問題があります。例えば、Google のマテリアルデザインの Web サイトを Photoshop や Illustrator で作ったカンプで表現するのは難しいですよね。これからの Web サイトは動きが重要なのにもかかわらず、画像では動きを表現することは難しいし、コストがかかる作業になります。自分のように一人で作っている場合には問題はないのですが、デザインとJavaScriptのコーディングを分担して別の担当者が作業している場合には、ディレクターなりが細かい指示書を書かないとデザイナーやコーダーはどう作業していいかわからないと思います。でも、動きについての細かな指示書を書く時間があれは 実際の Web サイトが作れてしまうと思います。日本の Webサイトは、海外の Web サイトと比較して JavaScript を上手に活用したサイトが意外に少ないのは、こういう所が原因になっているのかもしれません。

今までのWeb制作屋は、表面では時代の最先端をいっているふりをしながら、現実は最先端の技術を利用せずに手工業で Webデザイナーやエンジニアに長時間労働をさせていましたした。でも、これからの Web 制作は、Bootstrap 等のフレームワークを利用して、さっさとプロトタイプを作って、スマートにいきしょう。サーバーも人件費に比べれば遙かに安価なので早い時期に立ててしまった方がいいし、JavaScript を多用するのであれば Git を使ってソースレベルでコミュニケーションをしましょう。

漫画でなれる?Webデザイナー講座

そういうことで、新しく Web デザイナーになる人にできるだけ効率的に Web デザインを勉強してもらおうと思って始めたのが、「マンガでなれる?Webデザイナー講座」 です。以前でであれば、Web デザイナーになるためには、Adobe の Photoshop 等のツールを買ってグラフィックから勉強するというのが定番でしたが、現在では必ずしもそうする必要がないということを知ってほしいと思います。それを 知っているだけでも、Web デザインを学ぶための時間とコストを大きく削減できると思います。

また、この Web サイト全体では、新しく Web デザインや Web 制作を学ぶ人の手助けに少しでもなるようなサイトにしていこうと思っています。

個性を生かそう

Wix が無料のオンライン教育サイト WixEd を立ち上げました。Wix を使っているユーザに、Webビジネスを立ち上げるまでに必要な知識や技能を教えるサイトです。小さな Webビジネスを始めるために必要なあらゆることを教えるそうです。

Web デザインやビジネスのことは好きだけどコーディングは苦手という人は、Wix や Weebly のような Webサイト作成サービスを利用するのも一つの方法です。

少し古い記事ですが、Web クリエイターボックスさんが「世界のWebデザイナーのお給料はいかほど?」というブログの記事を書いていて「日本のWebデザイナーの年収は低すぎる」ということが話題になったようです。海外では、IT関係のデザイナーやエンジニアは待遇がよくて恵まれた職種ですが、日本だけは長時間労働で給料もよくないというのが現状でしょう。

WixEd ではないですが、Webデザイナーは、少しのビジネスマインドがあれば起業しやすい恵まれた職種なのです。それなのに、日本のWebデザイナーは、ディレクターや発注者の顔ばかり見て長時間労働をしてしまうから待遇は良くならないのです。

30歳から Webデザインを勉強するといったら変な目で見るのが日本です。「Webデザイナー=Web制作会社のWebデザイナー」という固定観念にとらわれすぎです。Webは広告の重要な手段なので、少し見方を変えれば Webデザイナーの仕事はいくらでもある世界です。