この Webサイトは、Umbracoで作っていましたが、ASP.NET Core(ASP.NET 5)+ .NET Core で作成し直してみました。Umbracoも拡張性が高くて悪くはないのですが、自分でプログラムを書きたい場合には自由度が小さくなるのとデバックの時には重くなるのが欠点でした。それで思い切って、作り直すことにしました。選択肢としては、ASP.NET MVC 5、ASP.NET Core + .NET Framework 4.6、ASP.NET Core + .NET Core の三つでしたが、思い切って NET Core + .NET Core にしてみました。

ASP.NET 5 については、スケジュールが変更され、名称も ASP.NET Core に変更になるということで、RC2 が出る直前になってドタバタしているようですが、実際使っていると問題点があることはわかります。でも、基本的なところはそれほど変わっていないし安定しているので使えないことはないです。

運用を始めたばかりで、切り替えの時に少し失敗してサーバーを止めてしまったこともありましたが、取りあえずは普通に動いています。Ubuntuサーバーの方でもテストしていますが、そちらも大きな問題はなく動作しています。

ASP.NET Core、.NET Core については、最近マイクロソフトから以下のブログが出て、方向性がよくわかるようになったと思います。

ASP.NET 5 is dead - Introducing ASP.NET Core 1.0 and .NET Core 1.0

An Update on ASP.NET Core and .NET Core

Porting to .NET Core

ASP.NET Community Standup – February 16, 2016

Porting MSBuild to .NET Core

コンパイラーが DNX から CLI に変更になるというのは賛成です。このサイトの発行時のファイルサイズは、約300MBぐらいで、その内runtimesが106MB、packagesが190MBです。runtimesの分は、ホストのOSにインストールされたランタイムを使う必要がなくなった代わりに必要になるもので、どんな小さなアプリにでも必要になります。packagesの分が大きくなっているのは、.NET Core だけでなく下の図のように Windows Phone 8 や Xamarin のものまで含まれているためです。Webサーバに関していえば、これぐらいのファイルサイズでも我慢できなくはないのですが、コンソールアプリケーションで 100MBというのはちょっと大きすぎだと思います。AOT(事前コンパイラ)をしてファイルサイズも減らして欲しいし、最初の起動時間も短縮して欲しいと思うし、コンソールアプリケーションだと、ネイティブコードにコンパイルして欲しいところです。 packages

.NET Core を使う上での支障は、ライブラリーの対応があまり進んでいないことです。「Porting to .NET Core」に書いてあるように、.NET Core でも System.Data、System.DirectoryServices、System.Drawing、System.Transactions、System.Xml.Xsl、System.Xml.Schema、System.Net.Mail、System.IO.Ports、System.Workflow、System.Xaml で、時間がなくて移行があまりできていないそうです。 そういう状況なので、サードパーティ製のライブラリーの対応状況は悪いです。

現状では、ASP.NET だと、ASP.NET Core + .NET Framework 4.6 という選択肢が現実的だし、UWP の方も windows 10 mobile が殆ど普及していないことや、デスクトップPCでも依然として主力は Windows 7 であることを考えれば、.NET Core を急ぐ必要はないと思います。

しかし、5年後を考えると .NET Core が必要というのは間違いないと思います。また、下の図は、Azure の VM の Linux と Windows の価格です。個人だとこれだけ価格に差が出てくると Linux の方を使いたいと思ってしまいます。それで、これからは、 Linux のことも書いていきたいと思っています。 azure