12月2日に公正取引委員会から、Yahoo! Japan が Google から検索エンジン等の技術提供を受けることについての調査結果が公表されています(公表文)。調査結果については、Yahoo! が、検索エンジン等のユーザーとして、Google の検索エンジン等を自社に最適なものとして選択するものであり、技術提供の実施後も、インターネット検索サービス及び検索連動型広告に係る競争は引き続き行われるものであるので、独占禁止法上の問題はないが、本件について引き続き注視し,独占禁止法に違反する疑いのある具体的事実に接した場合には,必要な調査を行うということでメールアドレスを開設しています。

この件については、ASCII の渡辺隆広氏の記事に同感です。日本で Bing を採用するのは現状では性能的に無理で、Yahoo! Japan としてはやむを得ない選択だったと思います。米Yahoo!とGoogleとの連携が独占禁止法に抵触する恐れがあるとして計画を断念したという経緯がありますが、検索エンジンを持っているかどうかの差は大きいでしょう。

この調査結果の公表を待っていたかのように12月2日に Yahoo の Google 検索エンジンへの移行が完了したと思われます。下の図は前々回のブログでも取り上げた Yahoo! の検索エンジンの上位にほとんど登録されていないサイトの検索エンジンのセッション数の推移です。この図から、9月に移行のテストが開始され、11月17日と11月24日に対象が拡大されていることがわかります。また、12月2日にも対象が拡大され、ほぼ Google からのセッション数と同じになったことから移行が完了したものと考えられます。

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日本独自の検索エンジンについて少し調べてみると、MARS FINDER皆声.jpSAGOOL というものがありました。MARS FINDER は企業用のサイト検索エンジンに特化したもので、皆声.jp はブログ検索エンジンで、グルーポン系一括検索等の機能があります。SAGOOLは、チームラボが開発した純国産の検索エンジンでより「おもしろいもの」を探すための検索エンジンです。こうしてみると、多くの検索エンジンが消え去りましたが、Google がカバーできない部分については日本独自の検索エンジンも活躍する余地が残っていると思います。韓国ではNAVERが最大手の検索サービスになっています。日本の検索エンジンにも期待したいと思います。