Umbraco 4.10.0 Beta が公開されています。4.10 の新機能のメインは、MVCがサポートされることです。Umbraco 4.9 までは、小規模な機能拡張であれば、Razor を使ってテンプレートにコードを書くことでスマートに機能拡張を行うことができました。しかし、本格的に機能拡張しようと思えば、UserControl を利用する必要がありました。Umbraco 自体が ASP.NET MVC とよく似た機能を実現させていて、なぜ Umbraco を使うのかという問いに対して、Html + CSS + Javascript でサイトを自由にデザインできるからだと答える人は非常に多いと思われます。それなのに、Html 、CSS 、Javascript が使いづらいユーザーコントロールでしか機能拡張ができないというのは非常に残念なことでした。

4.10 では、MVC がサポートされたことにより Razor をテンプレートの中で自由に利用できるようになり、Patial Views も利用することもできます。MVC とのハイブリッド・アプリケーションにした場合には、@Html.Action、@Html.RendarAction を利用することができるようになったので、Umbraco の Razor から MVC 側のアクションを呼び出し、その結果を ビューに描画することも簡単にできるようになりました。なお、@Html.Action、@Html.RendarAction を使用するためには MVC 側のルーティングを設定しておく必要があります。設定については Umbraco 4 MVC でのルーティングの追加 にメモしています。

このようなことから、Umbraco では、Razor や ASP.NET MVC についての経験があれば容易に機能拡張をすることができます。また、Razor や ASP.NET MVC が初めての場合であっても、Razor や ASP.NET MVC を学ぶということは 広くソフトウェア開発で利用できる技術を学ぶということです。他の CMS のように、機能拡張をするためには、その CMS の独自部分をいろいろと学ばなければいけないというのと比較すれば、はるかに将来のために効率的な開発作業になります。WordPress 等の CMS の機能に満足していない場合には、ぜひ Umbraco を試してみてください。Umbraco のインストール・設定等については、Wiki の Umbraco MVC について をご覧ください。