はてな匿名ダイアリーにあった「アフィリエイトで勘違いした大学生の末路」の記事を読んだときに気になったのですが、イケダハヤト氏も「「ブログで稼ぐ」「アフィリエイトで稼ぐ」なんて夢は見ない方がいいですよ」という記事を書いていたので少し自分の感じたことを書いてみた。

元増田氏は、趣味で作成したホームページが、多い時で1日12万PVもあるサイトになり多いときで月80万円も収入があった。しかし、べた書きで作っていて、MVC は理解できなかったから、できることに限界があった。昨年の11月にグーグルのアルゴリズムが代わり検索順位が大きく下がった。多い時で80万円あった収入は20万円台にまで落ちた。

それで元増田氏は、「ゲームオーバー」したとして、「僕は公務員を目指すことを考え始めた。」そうだ。そして次のようにいっている。

勉強したあげく面接に落ちたらどうなるだろう。
27歳にもなるのに職歴がなく、独学でphpとSQLを囓った程度ではWEB制作会社は雇ってはくれないだろう。
詰んだかな、これ。
もっと外に出て、みんなと同じ大学生活を送って、みんなと同じ就職活動をして、みんなと同じように働いていれば。

イケダハヤト氏は、ブログの中で「コンテンツ制作のスキルはかなりありそうなので、公務員よりふさわしいキャリアはありそうな気もしますが…。」と言っているし、トラックバックでもスキルあるからと同情的なものが多い。でも、自分は元増田氏にスキルがあるとは思っていない。

なぜかというと、昨年の11月に検索の順位が大きく下がったということは、Google のいわゆるパンダアップデート呼ばれる検索アルゴリズムの変更によるものだと思われる。パンダアップデートは、質が低いとみなされるサイト、例えばコピーサイトや重複サイトのようにユーザにとって価値のないサイトの順位を下げてGoogle 検索の品質を高めようとするものだ。要するに元増田氏が作っていたサイトというのは、価値のないサイトだった可能性が大だ。そら技術力ないから、「ゲームオーバー」するしかなかったのだと思う。

多分元増田氏は要領がいい人間だったのだと思う。それで一時的には相当な儲けができた。でも理念のない人間だったので価値のないサイトを作ってしまった。最近、そういう要領はいいけど理念のない人間が幅をきかせているような気がする。彼らは口ではうまいことを言うが、創造性はないからどんどん内向きになって仕事をつまらなくしてしまう。

元増田氏が「みんなと同じように働いていれば」というのは過去の成功体験だろう。日本の高度成長期には真面目に働く労働者がいるのは日本だけだったので、真面目に働けばそれだけで成功した時代だった。しかし、現在では真面目に働く労働者は、中国にもインドにも東南アジアにも日本の数倍の労働者がいる。そして、彼らの給料は日本人の1割や2割である。だから、みんなと同じように働くだけでは、給料に下降圧力がかかるのは無理がないことである。だから最後の結論が「みんなと同じように働いていれば」というのは本当に寂しい。

イケダハヤト氏は、自分がブロガーであることについて次のように書いている。

でも、ぼくはプロブロガーを辞めることは当面ありません。限界までこの仕事で稼ぎつづけるつもりです。
なぜか?それはぼくが「書くことが大好き」だからです。もう、これ以上の理由はありませんね。どれだけ厳しくても、稼げなくても、この道は諦めたくないのです。

プロとして生きるというのはそういうことだよね。自分も価値のあるWebサービスを作りたいと思う。

最後に Google の理念ということで、Google が掲げる10の事実のタイトルのみだけど記載しておく。

  1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
  2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
  3. 遅いより速いほうがいい。
  4. ウェブでも民主主義は機能する。
  5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
  6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
  7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
  8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
  9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
  10. 「すばらしい」では足りない。