Amazon EC2 の4月1日からの値下げが発表されたら、Microsoft Azure の仮想マシン(VM)の方も基本タイプが新たにできて実質値下げになる予定である。それで比較表を修正した。Amazon は東京リージョン、Azure は東日本リージョンの基本で計算している。Azure の西日本リージョンだと東日本リージョンより約10%安くなる。

サーバー種別 Windows Server Linux
短期・長期

短期(円/時間)

長期(円/月)

短期(円/時間)

長期(円/月)

EC2 t1.Micro

($0.039)\4.10

\2,326

($0.031)\3.26

\1,624

Azure VM XS 基本

\1.84

\1,366

\1.84

\1,366

EC2 m1.Small

($0.093)\9.77

\4,747

($0.061)\6.41

\2,509

Azure VM S 基本

\9.69

\7,209

\7.04

\5,236

EC2 m3.medium

($0.161)\16.91

\8,528

($0.111)\11.66

\4,857

Azure VM M 基本

\19.38

\14,419

\14.08

\10,473

EC2 c3.large

($0.241)\25.31

\13,146

($0.138)\14.49

\7,551

※1ドル=105円とした。EC2の長期は重度使用リザーブドインスタンスを利用の場合。
EC2 ではEBSが必要になるのでt1.Microとm1.Smallには30GB、m3.mediumとc3.largeには60GBを追加。
価格は税抜きで、日本に住んでいる場合はこれに消費税が加算される。

この表をみると、Azureの価格の方が明らかに安価なのは XS だ。初心者が最初に使うサーバーの価格を抑えて Azure の利用者を増やしたいという Microsoft の意図ははっきりしている。自分が使っているレベルでは、Azure の長期割引が月額51,000円以上でないと利用できないのが相当痛いと思っている。Azure VM M の長期割引がきかないのであれば、EC2 c3.large のリザーブドインスタンスを使った方が有利だと思う。Amazon のリザーブドインスタンスは、新たに購入しないと値下げが適用されないという結構厳しい条件はあるが、ソフト面で Amazon の方が成熟しているということもあるので Amazon がシェアトップであるという理由は理解できる。

送信データ転送等の料金については、以下のとおりで Azure の方が若干安価である。

Azure ¥19.38/GB  Amazon EC2 ($0.201)¥21.11/GB

ストレージ料金についても、Azure の BLOB の方が EC2 の EBS より以下のとおり安価である上にプロビジョンした容量ではなく実際に使っている分しか請求されないのでが Azure の方が相当に有利である。ただし、Amazon がS3 の価格を大幅に値下げし($0.033/GB)\3.47/GB なので、運用次第という面はある。

Azure BLOB/ディスク¥5.1/GB  Amazon EC2 EBS Standard ($0.12/GB)¥12.6/GB

こういうことからすると確かにリソースを大量に消費する大企業だと Azure は有利なようだ。