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カテゴリー: クラウド・サーバー

Amazon EC2 の東京リージョンが開設

2011年3月5日

Amazon Web Services が東京にデータセンターを開設したということで、Amazon EC2 で東京リージョンのものを使ってみました。Amazon が用意している Windows のAMI は、標準では日本語版ではなく、英語版でした。しかし、日本語言語パックがインストール済なので、言語の設定を変更するだけで日本語 Windows になります。なお、言語の設定の手順は、Amazon EC2 で Windows 環境の構築 その2 日本語化にメモをしています。

価格につては、東京リージョンの利用料金はかなり割り増しになることが予想されていました。実際にどうなったかをWindows サーバーで計算してみると US East と比較して、オンデマンドインスタンスだと微妙に高いぐらいですが、スモールインスタンスの一括払いだと 20% ぐらい高くなり、マイクロインスタンスの一括払いになると 30% 少々も高くなってしまいます(詳細は、Amazon EC2 で Windows サーバーを構築にメモ)。スポットインスタンスの利用料金も同様に高くなっていて、マイクロインスタンスの利用料金が実態としてはかなり高くなるのは痛いですね。

レスポンスは、アメリカのサーバーと比較すると、遅延がなくかなりいい状況です。ただ、サーバーが混雑していないためレスポンスがいいということも考えられるので、もう少しテストをしながら様子を見たいと思っています。

Yahoo! の Google 検索エンジン採用は独禁法上問題なし – そして移行完了

2010年12月3日

12月2日に公正取引委員会から、Yahoo! Japan が Google から検索エンジン等の技術提供を受けることについての調査結果が公表されています(公表文)。調査結果については、Yahoo! が、検索エンジン等のユーザーとして、Google の検索エンジン等を自社に最適なものとして選択するものであり、技術提供の実施後も、インターネット検索サービス及び検索連動型広告に係る競争は引き続き行われるものであるので、独占禁止法上の問題はないが、本件について引き続き注視し,独占禁止法に違反する疑いのある具体的事実に接した場合には,必要な調査を行うということでメールアドレスを開設しています。

この件については、ASCII の渡辺隆広氏の記事に同感です。日本で Bing を採用するのは現状では性能的に無理で、Yahoo! Japan としてはやむを得ない選択だったと思います。米Yahoo!とGoogleとの連携が独占禁止法に抵触する恐れがあるとして計画を断念したという経緯がありますが、検索エンジンを持っているかどうかの差は大きいでしょう。

この調査結果の公表を待っていたかのように12月2日に Yahoo の Google 検索エンジンへの移行が完了したと思われます。下の図は前々回のブログでも取り上げた Yahoo! の検索エンジンの上位にほとんど登録されていないサイトの検索エンジンのセッション数の推移です。この図から、9月に移行のテストが開始され、11月17日と11月24日に対象が拡大されていることがわかります。また、12月2日にも対象が拡大され、ほぼ Google からのセッション数と同じになったことから移行が完了したものと考えられます。

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日本独自の検索エンジンについて少し調べてみると、MARS FINDER皆声.jpSAGOOL というものがありました。MARS FINDER は企業用のサイト検索エンジンに特化したもので、皆声.jp はブログ検索エンジンで、グルーポン系一括検索等の機能があります。SAGOOLは、チームラボが開発した純国産の検索エンジンでより「おもしろいもの」を探すための検索エンジンです。こうしてみると、多くの検索エンジンが消え去りましたが、Google がカバーできない部分については日本独自の検索エンジンも活躍する余地が残っていると思います。韓国ではNAVERが最大手の検索サービスになっています。日本の検索エンジンにも期待したいと思います。

Yahoo! の検索エンジンの Google 移行が進行

2010年11月20日

Yahoo! JAPANが検索サービスに Google の検索エンジンを採用すると7月27日に発表(Yahoo のプレスリリース)して、もうすぐ4ヶ月になります。自宅サーバーでこの5月に立ち上げたサイトは、Yahoo の検索エンジン YST では、上位には全くといっていいほど引っかからない状態なのですが、11月17日から Yahoo! からのアクセスが急増しました。このサイトの Google Analytics のトラフィックを見ると、Yahoo の検索エンジンの移行状況が一目でわかっておもしろかったので紹介しておきます。

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図を見ると、8月までは、Yahoo からの接続はほぼ 0 です。9月からテストを開始したということでアクセスが少し発生し、11月17日からアクセス数が急増し対象範囲を広げたのだろうということがよくわかります。Yahoo からのセッション数の google に対する比率は、9月10月の平均では 8.8% ですが 11月17日~19日の3日間では 37% に増加しています。この数字は、Yahoo! の検索エンジンが Google に移行している割合にかなり近いのではなかろうかと思っています。

Yahoo! Japan が検索エンジンに Google を採用することについて、楽天が独占禁止法に違反するとして公正取引委員会に訴えていますが、検索エンジンの精度から見れば Yahoo! Japan としては、やむを得ない選択だったと思っています。そうはいいながらも、日本の企業も独自の検索エンジンを開発してほしいという気持ちはあります。

追伸(11/25)
Yahoo! からのアクセスが 11/24 からまた増加していましたが、本日午後からは、Google とほぼ同程度のアクセスになっています。Yahoo! の検索エンジンの Google への移行がほぼ完了したものと思われます。

Windows 自宅サーバーを運用して 1年が過ぎました。

2010年11月19日

Atom + Windows 7 professional で自宅サーバーの運用を初めて 1 年が経過しました。現在のマシンは ATOM D510(詳細のスペックは、過去のブログに記載)ですが、夏場は設置している部屋が夕方に猛烈に暑くなるので熱暴走とかしないかと心配していました。涼しくなってからは発熱は少なくファンレスでも大丈夫な感じになっています。この1 年間でサーバーがダウンしていたのは約6時間ぐらいで、停電によってマシンが1回停止しました。UPS(無停電電源装置)は 1万円ぐらいで購入できるので安全のため設置したほうがいいようです。パフォーマンスはどうかというと、Google ウェブマスターツールの「サイトのパフォーマンス」では以下の図のような状況で、読み込み時間が 3 秒以内となっており、通常の使用では十分な状況だと思っています。サイトへのアクセス状況については、5月にやっと 100 ビジット/日を超えましたが、現在は、約 400 ビジット/日まで増加させることができています。

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このサイトは、現在 ActiveWeb の共用サーバーで運用していますが、今後 ASP.NET 4.0 で MVC を本格的に利用したいので自宅サーバーの方に移転させようと思っています。自宅サーバーは、アップロードの時間が早いこと、最新のツールを自由にインストールできること、メモリやディスクに余裕があることが大きなメリットだと思っています。このサイトを移転すると、自宅サーバーの方は、もう少しアクセスが増加するようになると、Windows 7 の同時接続数20台の制限を超えるようになると思います。その時には、誰もアクセスしてくれなかった時期からここまでサイトが成長したということで Windows Web Server を喜んで購入しようと思っています。

Windows Azure の新機能

2010年11月3日

Umbraco を Windows Azure で動作させるためのソフトウェア Umbraco Azure Solution Accelerator が公開されたということで、久しぶりに Windows Azure のページをみていると、10月末に開催された Microsoft PDC10 で Windows Azure の新機能 VM Role と Extra Small Instance の提供が発表されていました。Windows AzureWindows Azure Compute のページに新機能の説明があったので概要と自分の感想をメモしました。この二つの機能については、年内に ベーター版が公開される予定だそうです。

VM Role の提供

VM(Virtual Machine) Role というのは、Windows Azure 上で Windows Server 2008 R2 仮想マシンのイメージ – 仮想ハードディスク(VHD)を動作させるものです。これって、どうみても Amazon EC2 の Windows Server のサービスと同様のものです。Windows Azure が Amzon EC2 とガチンコ勝負をするのではないかという人もいると思うのですが、Amazon EC2 のサービスで Windows と Linux との差額は Microsoft の収入になっていると思うので、Amazon EC2 は競合相手ではあるものの一方では有力なお得意様だとおもうのです。私自身は VM Role を提供するようになった一番の理由は、既存の資産を変更することなく Cloud に移行したいというのがユーザーの本音だし、現状では Amazon EC2 と Windows Azure を比較すると自由度の点では EC2 が明らかに優れているので、ユーザー層の拡大のために Microsoft が新たに VM Role を提供することにしたのだと思っています。

Extra Small Instance の提供

小規模なアプリケーションを構築して動作させる開発者向けのインスタンスである Extra Small が提供される予定になっています。Extra Small という名前から判断して Amazon EC2 の Micro インスタンスと同等で EC2 の $0.03 と比べて高いのではないかという人がいると思うのですが、私はよく考えたスペックで出してきたと思っています。Extra Small のスペックは以下のようになっており、

CPU 1.0 GHz
Memory 768 MB
Instance Storage 20GB
I/O Performance Low
Cost per hour $0.05(1ヶ月で 36.5$)

EC2 Micro instance と競合するのではなく、開発者向けの EC2 small instance といったところだと思います。Amazon EC2 の場合は、1ECU が 1.0-1.2 GHz 2007 Opteron または 2007 Xeon processor であり、EC2 small の場合、CPU が 1ECU なので、Azure Extra Small の CPU 1.0 GHzは EC2 small とほぼ同等です。一方メモリは、EC2 small の 1.7GB に対して半分以下なのですが、Windows Azure では、SQL Azure が容量 1GB を1ヶ月 10$ で使用できるので、Azure Extra Small にアプリケーションだけをインストールしデータベースは SQL Azure を利用すれば、 EC2 Small にアプリケーションと SQL Server Express をインストールした場合と比較して、データベースが結構 CPU とメモリを食うので、性能的にいい勝負になると思います。また、開発段階だとデータ量が少なくストレージの容量が少なくても問題がないので、開発者が1ヶ月のコスト $46.5 +α (従量課金)で EC2 small と同等のものが利用できるということです。公開されたらテストをしてみたいと思っています。