経産省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」の 「IT人材に関する各国比較調査報告書(PDF形式)」の20ページを見て笑ってしまいました。

「IT企業の回答者の職種」で、日本は「SE・プログラマ」が36.6%で一番多く、アメリカでは「プロジェクトマネージャ」が37.8%と一番多くなっています。いくら何でも、プロジェクトマネージャーがそんなに多くいる訳はないですよね。

それで、アメリカの労働省が後援している「O*NET」で調べてみました。

IT 関係の職種は、「コンピュータと数学」に分類されています。職種別に平均年収と従業者数を拾ってみました。

職種平均年収
(ドル)
従業者数
(人)
15-1111.00 コンピューター及び情報科学者
Computer and Information Research Scientists
110,620 26,000
15-1121.00 システムアナリスト
Computer Systems Analysts
85,800 191,600
15-1121.01 運用スペシャリスト
Informatics Nurse Specialists
85,800 568,000
15-1122.00 情報セキュリティアナリスト
Information Security Analysts
90,120 83.000
15-1131.00 プログラマー
Computer Programmers
79,530 329,000
15-1132.00 ソフトウェア開発者(アプリケーション)
Software Developers, Applications
98,260 718,000
15-1133.00 ソフトウェア開発者(システムソフト)
Software Developers, Systems Software
105,570 396,000
15-1134.00 Web開発者
Web Developers
64,970 149,000
15-1141.00 データベース管理者
Database Administrators
81,710 120,000
15-1142.00 ネットワーク及びコンピュータシステム管理者
Network and Computer Systems Administrators
77,810 383,000
15-1143.00 コンピュータネットワークアーキテクト
Computer Network Architects
100,240 146,000
15-1143.01 通信技術スペシャリスト
Telecommunications Engineering Specialists
100,240 146,000
15-1151.00 ユーザーサポートスペシャリスト
Computer User Support Specialists
48,620 586,000
15-1152.00 ネットワークサポートスペシャリスト
Computer Network Support Specialists
62,250 181,000
15-1199.00 その他のコンピュータ関係職
Computer Occupations, All Other
85,240 233,000
11-3021.00 コンピューター及び情報システム経営者
Computer and Information Systems Managers
131,600 349,000

これを見るとソフトウェア開発者とWeb開発者が「プロジェクトマネージャ」に入っているようです。ソフトウェア開発者の給料は高いですが開発メインでマネージャ職ではないから、プロジェクトマネージャーに分類するのはあっていないと思いますが、どういう発想からそうしたのか考えると面白いかもしれません。

これに関連して、最近話題になっているちょまどさんの「あるSIerに、システムエンジニアとして新卒入社。Excel(表計算機能を使わない)を使うお仕事が続く」という話が思い浮かびました。

報告書の14ページには「ITスキル標準レベル」の比較表があるのですが、やはり最低レベルです。エンジニアにプログラムをさせないでスクショをさせていたのでは技術レベルはあがらないのは無理ないです。

ちょまどさんは、3ヶ月でその SIer を退職して、今ではマイクロソフトのエバンジェリストになっているのでさすがです。でも、ちょまどさんのケースは例外ではないようで、O'Reilly の「ソフトウェア開発者の収入調査」では、日本のソフトウェア開発者の年収は高いという結果が出ています。

日本のIT業界は労働環境が劣悪なので若い人がIT業界離れをしているようですが、能力があればちょまどさんのように好待遇の仕事に就くことは難しいことではありません。そのためには、待っていたのではダメで、自分のキャリアは自分でマネジメントするという姿勢が大切になってくると思います。