徳島県の県土防災情報システムの中で「徳島県道路通行規制情報 Google Maps API 版」として7年間稼働していたものをベースとして、オープンソースとして GitHub で公開するとともに以下のURLでホームページを公開しました。
ホームページ:徳島の交通状況 Google Maps API 版 http://tk.ecitizen.jp/
ソースコード:TKGMap https://github.com/awoni/TKGMap
Google Maps API の関係でテストしておきたいことがあったこと、Google が提供している交通状況と規制情報を併せて表示させると結構便利なことから、問題はないわけではないが、オープンデータを作るのは結構簡単だよということも言いたかったので公開することにしました。
徳島の交通状況のホームページのサーバーは、Amazon S3 を使っている。Amazon S3 はこのようなシステムであれば保管料が1Gあたり0.1$、データ転送量が1Gあたり0.2$なので月10円のレベルで運用でき、それでいて大量のアクセスがあっても問題なく動作する。もちろんその分の転送量は必要になるだけど、一時的に大量のアクセスが予想されるシステムでは非常に便利だ。
最近、オープンデータという言葉が流行していて、公共データの公開が進められているられているが、あまりにSIer主導になっているのではないかと思う。データを公開するシステムを作るより先に、アメリカがしているように国が公開している情報は自由に使えるといってくれた方が遙かに開発しやすくなると思う。政府が提供したいデータと開発者が利用したいデータでは一致しないことも多いが、日本の場合はどこまでなら適法なのか訳がわからないところが多い。
これ以降は、最近あったGoogleマップ禁止令の件で調べたことをメモしておます。Googleマップ禁止令というのは、政府方針と反する外国語名で表記されているものがあるとして、政府が全国の自治体や国立大などに対し、それをホームページで利用しないよう通知していたという件である。名指しはしていないが、実質的には、Googleマップを使うなという通知となっている。
このGoogleマップの禁止令の経緯に関しては、片山さつき議員のブログ「NHK「みちしる」の国境離島誤表記でわかった、Googleマップにおける日本海、竹島、国後島、魚釣島表記問題、、官邸に即上申→世耕副長官より政府関係機関は全てチェック迅速対応」が参考になる。そこでは、以下のように述べている。
グーグル地図の世界版が日本の主張をいれた表記になっていないことは、再三国会でも取り上げ、外務省から抗議をさせていますが、グーグルの日本版region=jpに切り替えれば日本国としての正しい表記にはなる、ということで仕方ないと使ってきたわけですよね。
しかし、今回、国後島だけは、日本版にしても、国後島の上に表記されたキリル文字が消えないので、「これはないでしょう!ということで、グーグル日本本社に、私からも少なくとも日本版は全て日本政府の公式見解にあわせ、国後島、と単独表記するように強く要請したところです。前向きにご検討いだたいております。
この記事が書かれたのは今年の4月11日のことでで、NHK がGoogleの世界版を使っていたので日本海が東海と併記になっていたということで問題になったが、それ以外に、国後島が日本語版でもキリル文字で併記されているという問題があったようだ。その場は、グーグルの世界版を使わず日本版(region=JP)に切り替えるということと、国後島についてはグーグルに要請するということで収まったようだ。しかし、グーグルは、その後も国後島の併記はやめなかったので、とうとう8月に国土地理院が禁止令を出したようだ。なお、現時点では、国後島は日本語版では日本語のみの表記になっているので公的機関が使っても通知には違反しないようになっているようだ。
国土地理院が正確に表示されていると勧めている自分のところの地理院レイヤーも試してみて、以下のアドレスにそのサンプルを設置しているので参考にして欲しい。
http://tk.ecitizen.jp/gsi.html
サンプルを見ればよくわかるが、地図としての優劣は別にして、背景地図として使う場合にはゼンリンが作ったGoogleの地図とはデザイン的に全く勝負になっていないと思う。まあ、国が税金を使って Google マップに負けない背景地図を作るというのもどうかなと思うのでやむを得ないところだろう。
地理院の地図に関していえば、以前から電子国土という独自システムを作っていたが、googleマップに圧倒されて利用者が少なく、今年度末で地理院レイヤーという地図だけになって電子国土のシステムは廃止され OpenLayers というOSSを使用することになっている。OpenLayers対応の地図レイヤーは、上のサンプルようにGoogle Maps APIでも利用できるので、地理院の地図を使うのに一番便利なのが、Google Maps API というのも皮肉だ。