WebMatrix、ASP.NET MVC 3.0、Orchard 1.0、Web Platform Installer 3.0 と Microsoft の Web 開発関連ツールが一斉に公開されたのが、1月11日でした。GoogleでWebMatrixを検索してみるとWebMatrixは盛り上がっているようです。このサイトのアクセス数も、公開後は1割ぐらいは増加したように思います。ただ、アプリケーションでいうと盛り上がっているのはWordPressで、Umbraco、DotNetNuke 、Orchardo等のASP.NETのアプリケーションは寂しい状態です。
ASP.NETのアプリケーションがなぜ寂しいのかを考えると、ASP.NET を使っている技術者は、このサイトでも1日に数百人がアクセスしてくるので、日本中では相当な数いるはずですが、企業のソフトウェア技術者の多くは仕事に追われているのでそんなものを試してみようとする人はかなりの少数だと思います。一方、個人で、ASP.NETを使っている人は、ActiveWeb と ExpressWeb で、ネームサーバーへのドメインの登録数からみて最大で2000人ぐらいで、他のWindowsレンタルサーバーを使っている人はもっと少ないし、それにWindowsレンタルサーバーを借りていても実際はPHPしか使っていないというような人も多いので、個人のASP.NETユーザーというのは、日本ではかなりマイナーな存在だと思われます。このことがASP.NETのアプリケーションの盛り上がらない大きな理由だと思っています。
そもそも、日本でUmbracoを使っている人がどの程度いるのかをGoogle の検索で調べて見ると、Umbracoを使っているという記事があるページは、片手もない状況で、Orchard CMS に既に負けてしまっているようです。使ってみようかと思う人が少ない上に、実際に動作させるまでのハードルがかなり高いようで、日本でUmbracoを使ったことがある人はごく少数というのは間違いない状況です。
最近、wonderrabbitproject.netの兎氏がTwitterでUmbracoのことをツイートしていますが、プログラマビリティの良さについては認めていますが、UIに関しては低い評価をされています。この評価については、ある意味においては同感です。このことが、日本では全く使われていないし、世界的にも普及している地域が偏在している大きな理由だと思っています。また、UmbracoがUmbraco.tvでビデオによるチュートリアルを有料で公開しているというのもこのためだと思っています。
しかし、実際のところはUmbraoのUIはどのようにでもできるし、操作も難しいわけではありません。ただ、それを理解したり理解させたりするのが結構難しいのです。なぜかというと、普通のCMSの場合、管理画面には設定項目の一覧が並んでいて、デフォルトのままでも問題なく動くし、何かを変更したいときは項目の一覧をみてどの項目を設定したらいいのかがわかるので、システムに慣れた人であれば、すぐに理解できるようになっているし、初心者ならこういう場合にどうするのかを人に教えてもらうのも比較的簡単です。しかし、Umbracoは、プログラマビリティを優先しているので、管理画面に設定項目が並んでいない等他のCMSとは異なっている面が多くあります。それで、慣れた技術者であってもUmbacoの基本的なことを少し時間をかけて理解をする必要があります。でも、慣れれば生産性は高いと思います。世界的にはコミュニティの活動が活発なという理由もこのあたりにあるのでしょう。
静的なホームページを持っていて、それをCMS化したいというような場合には、HTMLの知識が少しあればできます。でも、それをマニュアルにするのには苦労しています。