前回、国内のCMSのシェアの資料はないと書きましたが、アイ・ティ・アールが出荷金額のシェアを公開していました(ITR Market View:コンテンツ管理市場2012)。それによると、国内WCM(Web content management)市場の2011年度の出荷金額は32億円で前年度比14.3%増の高い伸びを示しているとのことです。会社別のシェアでは、シックス・アパート(MovableType)12.4%、ミックスネットワーク(SITE PUBLIS)11.9%、オートノミー(TeamSite)11.0%、I-ON Comunications(国内販売元:アシスト NOREN)7.9%、パナソニックソリューションテクノロジー(DBPS)5.0% の順となっているそうです。
日本では、まだまだ Movable Type には根強い需要があるようで小差で1位をキープしており、9月には新バージョンの5.2が公開されています。ミックスネットワーク社以下は、1本が数百万円台する商用のCMSです。売り上げの本数で言えば、1社で100本にもならないので、購入しているのは大企業ということになると思います。
この調査は出荷金額の調査なので、OSSのCMSは対象外になってしまいます。前回と合わせると、日本では、商用の数百万するような CMS を導入するだけの金がない会社の場合に、かなりの改造が必要なWebページを作成したいときに、Web会社がかなり無理をして受注してきて WordPress や Movable Type で無理矢理に改造しているという姿が浮かんできます。こういうことも、日本のWeb業界は残業の多い会社が珍しくないという一つの原因になっているのではないでしょうか。