「AWS は、さくらのクラウド、Azure より10倍価格性能比が悪い?」というブログを書いた後に、Amazon EC2 では、t2 インスタンスが提供されました。t2 インスタンスは、低価格帯のインスタンスでバースト機能をがあるのが特徴です。

そこで、t2 インスタンスを使って、前回と同じテストをしてみました。テストしたタイプは以下のとおりで、OSは Windows 2012-R2 です。今回は、価格的には「さくらのクラウド」とほぼ同じになっています。

  • さくらのクラウド:2コア, メモリ4GB, SSDプラン 100GB、石狩
  • Amazon EC2: t2.medium (2vCPU, 4GBメモリ), GP (SSD) 100GB、東京リージョン 

コスト(月あたり・円) データ転送量は80GBで計算

 
CPU
ディスク
データ転送
ディスク単価(GBあたり)
さくらのクラウド
5,500
3,500
0
9,000
20円、SSD 35円
Amazon EC2
5,626
1,260
1,688
8,574
8.4円、SSD 12.6円

※Amzon EC2 はドル建てなので 1ドル=105円で

テストの結果は、下の図のとおりで、Amazon EC2 の t2.medium の方が少し良くなっています。

t2 インスタンスについて考えてみると、確かに月100万PVのWebページは個人や中小企業のWebページとしてはかなりアクセス数が多い部類になるのですが、それでも平均すると1分間に23回のアクセスしかないので、1回の処理を1秒でできるように作ってあれば動作しているのは23秒だけで残りの37秒は遊んでいるということになります。実際は処理では特定の時間に集中することが多くそれにあわせて処理能力があるサーバーを選択するので、サーバーのCPUの稼働率というのは普段はかなり低いのが一般的です。そういう点ではバースト機能があるというのはコスト的に相当なメリットがあります。

さくらのクラウドにバースト機能があるかどうかは確認できていません。ただ、フェアシェアのようなCPUを共有する機能は使っていると思います。単価をみると 1Core-2GB 2,139円、2Core-4GB 4,860円、4Core-8GB 11,340円、8Core-16GB 24,300円とコア数が増えるとコア当たりの単価が上がっています。CPUをユーザー毎に完全に独立させているのであれば、Azureのようにコア当たりのコストは上がらないはずです。単価が上がるというのはコア数が多くなると共有が難しくなってくるという事情を考慮した単価設定だと思うのです。

いずれにしても、CPUの利用の仕方については、さくらのクラウドのほうが先進的であって、AWS が追いついたといえるでしょう。「国産クラウド」を代表する「さくらのクラウド」には今後も頑張って欲しいと思います。

Amazon EC2 t2.medium

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さくらのクラウド

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