2012年に実施された経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査(PISA)の結果が公表された。報道では日本の15歳の学力が充実したという肯定的な評価がなされている。
数学的リテラシーの習熟度レベルについては、確かに日本のレベルは高くなっている。しかし、内容を詳しく見ると実に悲惨な状態にある。文部科学省のOECD生徒の学習到達度調査(PISA)のページのPISA2012年調査分析資料集をみると、「数学における自己概念」は下の図のように何と世界で最下位なのである。また、「数学における道具的動機付け」は、ルーマニアに次いで下から2番目(P39)、「数学における自己効力感」は、ブラジル、コロンビアについて下から3番目である(P42)。
日本の場合は、テストのためだけに数学をしているようなところがあると思う。そこが、自信を持って何かを創造することができないということに繋がっているような気がする。先進国に追いつくまでは、日本のやり方は非常に効率的だったと思う。でも、追いつくまでは物真似でいいがその後は自ら創造することができないと経済も発展しない。日本の「失われた20年」の原因は案外こういうところにあるのかもしれない。