独立の前に会社での下積みは本当に必要なのか
2014年1月23日家入一真氏の都知事選への出馬表明をみていて思ったことは、それは家入氏が引きこもりから起業したということである。日本では、「会社をすぐにやめて独立しようとすることは、いかがなものか?」という意見が多いようだ。独立する前に会社に数年間在籍して、社会のいろんなルールや仕事の基本的なやり方を知ることが必要だという意見だ。家入氏を見ていると、分野にもよると思うけど、そろそろそういう考え方を改めた方がいい時期になっているように思う。
イケダハヤト氏もイケハヤ書店の「ホリエモンが指摘する「下積み原理主義」に大変共感する件」というブログで、下積原理主義を批判している。昨日のブログで書いたようにモバイルからのアクセスを1年で2.5倍にできる時代に、下積みを3年もしていればチャンスを逃すのは間違いないと思う。
日本ではマラソンよりも駅伝に人気がある。でも、その駅伝がマラソンをダメにしているという意見がある。現在日本のマラソン選手で有名なのは市民ランナーの川内選手である。待遇では川内選手よりはるかに恵まれているはずの実業団の選手が川内選手に勝てないのは、実業団が駅伝優先になっている点も大きいと思う。
IT関係も同じことがいえる。銀行のシステムを作りたいのであれば大規模なシステムだから組織力が重要になってくるから会社での下積みも必要になってくる。一方で、FaceBook や Twitter のようなシステムを作りたいのであれば、家入氏のように引きこもりであってもいくつもの事業やプロジェクトを立ち上げることができる人が明らかに有利だ。
IT関係で会社でいることのメリットってどんどん少なくなっていると思う。会社でいるメリットの一つは資産や組織があって高い技術力の製品を作れることだと思う。でも、Google や Apple や日本でも一部の先端を走っている企業を別にすれば、ソフトウェアの開発にはそれほどの資産が必要ないし、技術力だって OSS の方が会社の技術力よりも上だという場合が多い。それに組織でいると組織としての制約があって新しい技術が使えない場合も多い。
そろそろ日本でもこういう問題は一般論で話をするのではなく、現実や人の個性をみて考えていかないといけない時代だと思う。