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徳島の交通状況 Google Maps API 版をオープンソースで公開しました

2013年11月17日

徳島県の県土防災情報システムの中で「徳島県道路通行規制情報 Google Maps API 版」として7年間稼働していたものをベースとして、オープンソースとして GitHub で公開するとともに以下のURLでホームページを公開しました。

ホームページ:徳島の交通状況 Google Maps API 版 http://tk.ecitizen.jp/
ソースコード:TKGMap https://github.com/awoni/TKGMap

Google Maps API の関係でテストしておきたいことがあったこと、Google が提供している交通状況と規制情報を併せて表示させると結構便利なことから、問題はないわけではないが、オープンデータを作るのは結構簡単だよということも言いたかったので公開することにしました。

徳島の交通状況のホームページのサーバーは、Amazon S3 を使っている。Amazon S3 はこのようなシステムであれば保管料が1Gあたり0.1$、データ転送量が1Gあたり0.2$なので月10円のレベルで運用でき、それでいて大量のアクセスがあっても問題なく動作する。もちろんその分の転送量は必要になるだけど、一時的に大量のアクセスが予想されるシステムでは非常に便利だ。

最近、オープンデータという言葉が流行していて、公共データの公開が進められているられているが、あまりにSIer主導になっているのではないかと思う。データを公開するシステムを作るより先に、アメリカがしているように国が公開している情報は自由に使えるといってくれた方が遙かに開発しやすくなると思う。政府が提供したいデータと開発者が利用したいデータでは一致しないことも多いが、日本の場合はどこまでなら適法なのか訳がわからないところが多い。

これ以降は、最近あったGoogleマップ禁止令の件で調べたことをメモしておます。Googleマップ禁止令というのは、政府方針と反する外国語名で表記されているものがあるとして、政府が全国の自治体や国立大などに対し、それをホームページで利用しないよう通知していたという件である。名指しはしていないが、実質的には、Googleマップを使うなという通知となっている。

このGoogleマップの禁止令の経緯に関しては、片山さつき議員のブログ「NHK「みちしる」の国境離島誤表記でわかった、Googleマップにおける日本海、竹島、国後島、魚釣島表記問題、、官邸に即上申→世耕副長官より政府関係機関は全てチェック迅速対応」が参考になる。そこでは、以下のように述べている。

グーグル地図の世界版が日本の主張をいれた表記になっていないことは、再三国会でも取り上げ、外務省から抗議をさせていますが、グーグルの日本版region=jpに切り替えれば日本国としての正しい表記にはなる、ということで仕方ないと使ってきたわけですよね。
しかし、今回、国後島だけは、日本版にしても、国後島の上に表記されたキリル文字が消えないので、「これはないでしょう!ということで、グーグル日本本社に、私からも少なくとも日本版は全て日本政府の公式見解にあわせ、国後島、と単独表記するように強く要請したところです。前向きにご検討いだたいております。

この記事が書かれたのは今年の4月11日のことでで、NHK がGoogleの世界版を使っていたので日本海が東海と併記になっていたということで問題になったが、それ以外に、国後島が日本語版でもキリル文字で併記されているという問題があったようだ。その場は、グーグルの世界版を使わず日本版(region=JP)に切り替えるということと、国後島についてはグーグルに要請するということで収まったようだ。しかし、グーグルは、その後も国後島の併記はやめなかったので、とうとう8月に国土地理院が禁止令を出したようだ。なお、現時点では、国後島は日本語版では日本語のみの表記になっているので公的機関が使っても通知には違反しないようになっているようだ。

国土地理院が正確に表示されていると勧めている自分のところの地理院レイヤーも試してみて、以下のアドレスにそのサンプルを設置しているので参考にして欲しい。

http://tk.ecitizen.jp/gsi.html

サンプルを見ればよくわかるが、地図としての優劣は別にして、背景地図として使う場合にはゼンリンが作ったGoogleの地図とはデザイン的に全く勝負になっていないと思う。まあ、国が税金を使って Google マップに負けない背景地図を作るというのもどうかなと思うのでやむを得ないところだろう。

地理院の地図に関していえば、以前から電子国土という独自システムを作っていたが、googleマップに圧倒されて利用者が少なく、今年度末で地理院レイヤーという地図だけになって電子国土のシステムは廃止され OpenLayers というOSSを使用することになっている。OpenLayers対応の地図レイヤーは、上のサンプルようにGoogle Maps APIでも利用できるので、地理院の地図を使うのに一番便利なのが、Google Maps API というのも皮肉だ。

WordPress が一人勝ちしているけど本当にそれほどいいの?

2013年10月24日

イケダハヤト氏のブログ、「「WordPressからライトドアブログへの移転」について、サービスの中の人に伺ってきた」をみて確かに自分も同じように思っていたことがあるので、そのことを書いてみます。

イケダハヤト氏が、特に面白かったと思ったお話が、

「みなさん、たかがブログを作るためにWordPressを使うのって、けっこう大変だと思うんですけどね…。

確かにそのとおりで、WordPressだと誰でも簡単に更新できるというけれど、一応 MySQL というデーターベースを使っているから、データの管理どうしているんだろうと思っていた。MySQLのデータのバックアップとか、普通の人にとっては結構大変だと思うけど、どうしているのだろう。バックアップを取らずに運用している人も多いのかな。それだと、うまく動作しているときはいいけど、何かトラブルがあったら自分では対応できないから、結局は業者に対応を依頼しないといけないから、結構運用コスト高くなるよね。

最近、企業のホームページでも WordPress が人気のようだけど、メンテナンスをどうしているのか疑問に思っている。WordPress って「SEOに強い」という都市伝説があるから、企業だったら、高い運用費用を業者に払っているかもしれないが…。なお、WordPress が SEOに強いというのは AdSense 日本版 公式ブログ で明確に否定されているから、安心して WordPress でなくても自分の気に入ったツールやサービスを使いましょう。

こういうことを考えていくと、ブログを書くだけであれば、自分で WordPress を運用するよりも、ライブドアブログのようなサービスを使った方が確かにいいと思うので、イケダハヤト氏が移転することに決めたというのは、正解だと思う。

企業サイトでも、普通の零細企業のサイトだと、本当は WordPress より Jimdo や Wix のようなウェブサービスを使った方がいいように思うんだけどな…。特にお知らせやニュースのようなブログ的なものを載せる気がない企業サイトに WordPress を使うのは勧められたものではないと思う。

都道府県ランキングに D3.js でチャートを入れました

2013年10月9日

6月から作成していた統計データ API エクスプローラにやっとチャートを入れることができました。まだ、都道府県ランキングの指標の分だけだし、それも改善しようと思っている点が数多くあって、最初の一歩というところです。

D3.js を使ったことで、最初の一歩には時間がかかりましたが、今後インターラクティブな画面を作っていくということでは大きな進歩だと思っています。チャートを描くだけであれば、Google Visualization API を利用した方が簡単です。でも、内部がブラックボックスだけにそのチャートを自分で思ったように動かすことは相当難しくなります。D3.js の場合は、最初は難しいけどプログラムで完全にコントロールができることがメリットです。そうはいっても、まだチャートが一つできただけで、コントロールをするためには学ぶことが多く残っています。

ユーザーにデータをインターラクティブに可視化して提供できるということは、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させる有力な手段の一つです。これから自分の思い通りに図を動作させることができるように頑張ろうと思っています。

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フリーになって半年になりました

2013年10月1日

フリーになって半年になりました。9月は Webサイトの制作の方がほとんど進みませんでした。こういう時にありがたいのが Googleアドセンスです。ほとんど手間がかからずに収入が入ってくるので、いろいろと試行錯誤をしながら Webサイトの制作をすることができます。

半年を過ぎて、方向性の方は明確になってきました。自分の場合はデータを扱っている Webサイトが多いので、まずは、データ ビジュアライゼーションを進めていこうと思っています。今年の後半はインターラクティブなWebサイトを作るのが目標です。

現在作成中の統計メモ帳のアクセスの状況は、9月は下の図のようになっていて、ユーザー数2,975、訪問数3,369、ページビュー数7,647でした。8月と比べるとすべて半減に近い状況です。制作の方が進んでいないため、もう一度見にいきたい思ってくれるコンテンツがないので減少するのも仕方がないと思います。早く可視化しようとしているのですが、それほど簡単ではないです。落ち着いていいものを作ろうと思います。

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「気象庁サイトにアクセス100倍 閲覧困難に」とスマートフォン

2013年9月5日

昨日、台風17号が近づいているということで気象庁のHPにアクセスしたが、台風の進路や気象レーダーの画像が表示されなかった。9時19分に関東でも鳥島近海を震源とする震度4の地震があってHPへのアクセスが集中したためのようだ。原因については、朝日新聞デジタルによると

気象庁によると、ふだんホームページを同時に見ているのは2千人程度だが、この日は約100倍に膨らみ、サーバーやシステムに大きな負荷がかかったという。

アクセスが集中したからということのようだが、真剣に考えないといけないのがスマートフォンの急激な増加への対応である。

下の図が自分の運営しているサイトの一つの8月分の Google 「ウェブマスター ツール」のグラフである。上の図が通常のPCからの検索の表示回数と自分のサイトへのクリック数、下の図がモバイルからの検索の表示回数と自分のサイトへのクリック数である。検索の表示回数でいうと、PCからは100万回に対して、モバイルからは実に220万回と2.2倍の検索があったということになる。そのうえモバイルは何時何所ででも利用できるので時間的にもアクセスが集中しやすいという特徴がある。

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東日本大震災の時にはスマートフォンがそれほど普及していなかったので、気象庁HPは閲覧できた。それから2年半しか経ていないがその間のスマートフォンの普及には著しいものがある。気象庁HPもそれにあわせて10倍とか100倍のアクセスに対応できるようにしないと災害時に使い物にならなくなってしまう。

対応については、少し古典的にやろうとするのであれば公共機関・大学等に協力してもらってミラーサーバーをたてればいいし、今風にやるのであればパブリッククラウドを使えばいい。どちらもそれほどコストもかからずに対応できるはずである。