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カテゴリー: クラウド・サーバー

自宅サーバーIntel NUC D54250WYK と Azure & Amazon EC2 との性能比較

2014年2月28日

昨日、Windows Azure と Amazon EC2 との性能比較をしたので、自宅サーバーにしている Intel NUC D54250WYK との性能比較もしてみました。

自宅サーバーの CrystalMark での測定結果は以下のとおりです。ALU 及び FPU については、昨日のブログで紹介した Azure VM の M の測定結果より約2倍速くなっています。

image

Intel Core i5 4250U は、4コアです。コアあたりで計算すると、Amazon EC2 の現行世代(m3)も Windows Azure も i5 4250U もよく似た数値になります。CPU の計算性能だけでいうと、Intel Core i5 4250U は、Amazon EC2 の m3.xlarge 相当、Windows Azure の VM であれば L 相当ということになります。

ネットワークを余り必要としないで計算を中心としたことをさせるのであれば、Intel NUC は省電力でかなりパフォーマンスがいいと思います。D54250WYK は、メモリーや SSD を追加すると10万円近くになりますが、クラウドを借りることを考えれば4ヶ月もあれば元がとれます。今後は、D54250WYK をデーターベースの作成に活用していきたいと思っています。

Windows Azure の日本リージョンが開設されたので Amazon EC2 と比較してみた

2014年2月27日

注意!Amazon EC2 の価格が2014年4月1日から引き下げられる予定です。その時点での価格比較を「Amazon EC2 が値下げされるので、Azure と比較してみた」に書いています。

Microsoft が運営するクラウドサービスWindows Azure で日本リージョンが開設されました。それも、東京と大阪の2箇所にデーターセンターが開設されたので災害時の対策も容易に出来ます。そこで、まず Azure VM と Amazon EC2 の価格を比較をしてみました。Azure は、東日本リージョンで計算しています。西日本リージョンだと約10%安くなります。Amazon は東京リージョンです。

サーバー種別

Windows Server

Linux

短期・長期

短期(円/時間)

長期(円/月)

短期(円/時間)

長期(円/月)

Azure VM XS

\2.71

\2,012

\2.76

\2,049

EC2 t1.Micro

($0.0305)\3.20

\2,525

($0.027)\2.84

\1,271

Azure VM S

\10.82

\8,044

\8.27

\6,147

EC2 m1.Small

($0.1185)\12.44

\6,094

($0.088)\9.24

\3,650

※1ドル=105円とした。EC2の長期は重度使用リザーブドインスタンスを利用の場合。
EC2のWindows は、EBSが30GB必要になるのでその料金も含めている。

この表をみると、Azureの価格体系の特徴としては、Windows Server の XS の価格が押さえられています。初心者が最初に使うサーバーの価格を抑えて Windows サーバーの利用者を増やしたいという Microsoft の意図がはっきり表れています。初心者にとってはサーバー経費が結構負担になるものなので、低価格のレンタルサーバーでは満足できない場合の有力な選択肢です。

Azure VM の Sサイズでは、EC2 Small と比較して時間当たりでの単価は少し安くなっています。しかし、Azureの方は月額使用料が51,000円以上でないと長期や前払いの割引が受けられないため長期使用の場合はEC2 Smallよりも高くなります。ただし、Amazonの前の世代である m1タイプより Azure の方が性能的に相当高いので、Azure の方が勧められると思います。Gihyo.jpのクラウドサービスの比較をみると、同じSと言っても性能的に差が非常に大きいです。

次に、現行世代タイプである Azure VM の M タイプと Amazon の m3.medium とを比較してみます。

サーバー種別

Windows Server

Linux

短期・長期

短期(円/時間)

長期(円/月)

短期(円/時間)

長期(円/月)

Azure VM M

\21.63

\16,088

\16.53

\12,294

EC2 m3.medium

($0.228)\23.94

\10,761

($0.171)\17.96

\6,787

※1ドル=105円とした。EC2の長期は重度使用リザーブドインスタンスを利用の場合。
EC2のWindows は、EBSに60GB分を含めている。

こちらでも、時間当たりでは、Azure の方が安いのですが、長期使用では EC2 がリザーブドインスタンスを利用できるのでかなり安くなります。そこで、どちらを選択したらいいのかを検討するためには性能も重要になるので、どの程度の性能なのかを調べてみました。現行世代のm3は、前世代のm1より CPU の性能が約1.5倍に上がっていますが、一方料金は少し安くなっています。

以下の図が CrystalMark での測定結果です。ALU 及び FPU については、Azure の方が約2倍速くなっています。Azure VM の M は、2 vCPU  なので、CPU の性能だけでいうと、EC2のm3.medium は、1 vCPU である Azure VM の S とほぼ同等ということになります。Azure VM の S が月額約8000円なので、2700円でメモリーを 1.75GB から 3.75GBに増やせるということになります。こう考えると、Windows Server でも Azure が有利か EC2 が有利かは、ケースバイケースになるのではないかと思います。Linux の場合は、長期使用の場合の Azure VM の S の価格と EC2 の m3.medium の価格が 640円しか変わらなくなるので、短期間だけ利用する場合を除いては、EC2 が有利だと思います。

大企業に関していえば、Azureの方は月額使用料が51,000円以上になってくると、6月プランや12月プランの割引が使えるので、Azure の方が利用しやすいと思います。EC2 の重度利用は、価格的には安くなりますが、同一のインスタンスを使用しつづける必要があるので、弾力性の面で Azure の割引の方が優れていると思います。Microsoft によれば Fortune 500 の会社の50%が Azure を使っているということですが、トータルのコストパフォーマンスからみて当然の結果だと思います。

MARK Azure2

MARK Ec2

もう少し、Azure と EC2 の性能を詳しく比較するために、CrystalDiskMarkを使ってベンチマークをしてみました。以下の図がその結果で、上が Azure VM M、下が EC2 m3.medium の C ドライブです。

CDM Azure

CDM Ec2

Azure のディスクの Seq 及び 512K の読み込み性能はすばらしいです。Azure の Blobストレージは、広くいわれているとおり非常に優秀です。だから、仮想マシンの起動に関しても Azure は非常に早いです。

一方、Amazon の EC2 は、これに対抗して、現行世代の m3 では、SSD のインスタンスストレージを提供しています。m3.medium では、わずかに 4GBしかないのですが、下の図のようにディスク性能が飛躍的に上がっています。この SSD を有効に使えば処理速度は格段に上がります。m3.xlarge だと、2 x 40GB が提供されるので、OS も SSD のディスクにインストールできるので処理速度が格段に上がると思います。

CDM Ec2e

こうしてみると、クラウドコンピュータは、早い速度で進化しているのが分かります。

Azure の場合、日本リージョンだけが、他のリージョンより 東日本リージョンで 17.8%、西日本リージョンで 5.6% 高くなっています。データセンターを東日本と西日本の2カ所に設置したことで、国外にデータを出さず、国内だけでディザスタリカバリー体制を組めるようにしたり、「日本MSが米本社と連携し、国内企業が求めるクラウドの品質に応えられるようにする」という ITPro の記事から判断すると、日本の大企業の要望に沿ったサービスを提供するために高くなった思います。こう考えていくと、自分の場合は、Azure を使うのがいいのか AWS を使うのがいいのかはかなり微妙だと思っています。

Windows Azure 仮想マシン料金 http://www.windowsazure.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/
Amazon EC2 料金表 http://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/

 

Intel D510MO + AOpen S110 自宅サーバー ハードディスクが故障

2014年2月9日

2010年4月から使ってきた自宅サーバーが起動しなくなった。ハードディスクの故障と思われるけど、HDDは、2.5インチ SATA 250GB HTS545025B9A300 なので、24時間稼働で4年近くも故障せずによく動いてくれたと思っている。Intel NUC D54250WYK を購入して自宅サーバーを立ち上げたばかりなので、しばらくは Intel NUC の方だけで作業しようと思っている。Intel NUC の方は今のところ快調に動作しているし、データも基本的にはそちらに移していたので故障してもあまり問題はなかったのはよかった。故障した Intel D510MO の自宅サーバーは、しばらくして時間ができたらハードディスクの交換をしてみようと思っている。

Haswell版Core i5を搭載したIntel NUC D54250WYK を自宅サーバーにしました

2014年2月3日

NUC の本命といわれている Haswell版Core i5 4250U を搭載した Intel NUC D54250WYK を購入して自宅サーバーにしました。Haswell版CPUは低消費電力で発熱を押さえることができるので小さな筐体のNUCでも問題は少ないのではないかと思って購入しました。

どの程度の期間故障せずに使えるかは運の要素が強いのですが、2010年4月に購入した Intel D510MO+ケースAOpen S110 の自宅サーバーは3年半を経過しても利用できています。このことからNUCもある程度の実用性はあると思っています。

自宅サーバーの D54250WYK の構成は以下の通りです。

本体 D54250WYB 46,980円
mSATA SSD 240GB プレクスター PX-256M5M 22,980円
メモリー 8GB Kingston DDR3-1600 SODIMM 1.35V  8,655円
FILCO 直角ケーブル3号 482円
PLANEX Mini Displayport - DVI端子変換アダプタ 1,318円
Microsoft Windows 8.1 Pro (DSP版) 64bit 15,981円

メモリーはノート用で、1.35V のものしか動作しないので注意が必要です。また、ディスプレイへの接続は、miniHDMI と miniDisplayPort の端子が装備されているので、Mac用の変換ケーブルを購入しました。

合計で96,396円でした。結構な値段になりますが、Mac Book Air 及び Surface Pro 2 とほぼ同じスペックで、ディスプレイがない分やや安価になっているので、まあ妥当な価格だと思っています。実際のところ、安価なノートパソコンよりはずっと早く動作します。

性能がどれぐらい向上しているかということで cpuboss を見てみると、PassMark スコアで旧の D510 の約5倍早くなっています。

写真の上側が D54250WYK で、下側が 2010年4月に購入した Intel D510MO+AOpen S110 ケースのものです。写真を見るとD54250WYK の小ささがよく分かると思います。

IntelNuc 

Webサーバーについては、Windows Azure と AWS にすべて移したため、自宅サーバーは、現在はWebサーバーとしては利用していません。しかし、次世代統計利用システムの統計データAPIのようなオープンデータを利用する場合、処理が複雑で非常に重くなるものがあります。そういう処理を自宅サーバーでさせようと思っています。D54250WYK であれば、自宅でも 10台ぐらい動作させても消費電力や設置場所の問題はありません。そういう意味では、個人でもものすごい計算能力が簡単に使える時代になったなと実感します。

なお、D54250WYK は、実際には11月末に購入して、12月の中旬には動作させていたのですが、忙しくてメモをするのが遅れてしまいました。また、D54250WYK は結構人気で品薄のようです。

 

「気象庁サイトにアクセス100倍 閲覧困難に」とスマートフォン

2013年9月5日

昨日、台風17号が近づいているということで気象庁のHPにアクセスしたが、台風の進路や気象レーダーの画像が表示されなかった。9時19分に関東でも鳥島近海を震源とする震度4の地震があってHPへのアクセスが集中したためのようだ。原因については、朝日新聞デジタルによると

気象庁によると、ふだんホームページを同時に見ているのは2千人程度だが、この日は約100倍に膨らみ、サーバーやシステムに大きな負荷がかかったという。

アクセスが集中したからということのようだが、真剣に考えないといけないのがスマートフォンの急激な増加への対応である。

下の図が自分の運営しているサイトの一つの8月分の Google 「ウェブマスター ツール」のグラフである。上の図が通常のPCからの検索の表示回数と自分のサイトへのクリック数、下の図がモバイルからの検索の表示回数と自分のサイトへのクリック数である。検索の表示回数でいうと、PCからは100万回に対して、モバイルからは実に220万回と2.2倍の検索があったということになる。そのうえモバイルは何時何所ででも利用できるので時間的にもアクセスが集中しやすいという特徴がある。

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東日本大震災の時にはスマートフォンがそれほど普及していなかったので、気象庁HPは閲覧できた。それから2年半しか経ていないがその間のスマートフォンの普及には著しいものがある。気象庁HPもそれにあわせて10倍とか100倍のアクセスに対応できるようにしないと災害時に使い物にならなくなってしまう。

対応については、少し古典的にやろうとするのであれば公共機関・大学等に協力してもらってミラーサーバーをたてればいいし、今風にやるのであればパブリッククラウドを使えばいい。どちらもそれほどコストもかからずに対応できるはずである。