CMS のシェアについて調べてました。W3Techs によると、世界のシェアは、2012年11月現在で WordPress 54.8%、Joomla 8.8%、Drupal 7.1% の順であす。日本のシェアについてのデータは、見あたらなかったので、シェアとしては正確ではないかもしれませんが傾向はわかるので Google トレンドで見てみることにしました。以下が、すべての国と日本の2004年からの人気度の推移です。
すべての国
日本
すべての国で見ると、日本と同様にWordPress が一番人気です。Joomla は使いやすさやプラグインの豊富さで過去には一番人気でしたが、WordPress との競争に敗れて現在は人気度を落としています。一方、Drupal については、カスタマイズが容易で大規模なシステムを構築することができることから開発者に人気があり、人気度では WordPress や Joomla ほどは上昇はしませんでしたが、安定した人気があります。
日本をすべての国と比較してみると、XOOPS と Movable Type という過去に人気があった CMS の人気がかなり最近まで続いたこと、現在では、WordPress の一人勝ちで、それ以外に人気のある CMS が存在しないことの二点が大きな特徴になっています。XOOPS や Movable Type はカスタマイズのとても難しい CMS なので、かっては一生懸命カスタマイズに努力していたプログラマーやデザイナーが多数いたはずです。彼(彼女)らは、今どうしているのでしょうか。一部は WordPress に移行したと思うのですが、本来なら一部は大規模なシステムが作れてカスタマイズのしやすい Drupal に移行していてもいいように思うのですが、Drupal は全く人気がない状態です。アメリカ、イギリス、ドイツ等をどの国をみても少なくとも10ぐらいの人気度はあるのですが日本だけは2なのです。
CMS の数はやたらに多いのですべては試していませんが、日本で人気度2位のCMSは、どうやら Jimdo のようです。確かに、Web サイトには記事を WordPress のように時系列で管理するのではなく、Jimdo のように構造的に管理した方がいいものがあります。また、日本のパートナーが KDDI Web Communications なので日本語のサポートがしっかりしているという面もあるでしょう。あと、CMS ではありませんがホームページビルダーも依然としてそれなりの人気があります。
しかし、Jimdo もホームページビルダーも簡易に Web ページを作りたいという人向けの CMS です。W3Techs では、下の図のように市場での位置というデータも公表していますが、Drupal は、比較的規模の大きなサイトで使われています。世界での Drupal の市場位置には当然日本でも需要があるはずだと思うので、日本ではどうしているのだろうかという疑問がわきます。日本の企業はIE6 を使い続けているところが多いので、CMS も昔のものを使い続けているということが考えられます。他には、商用の CMS を使っているとか、無理矢理 WordPress を使っているとかいうことが考えられます。
それでは、Drupal 又はそれに代わる構造型でカスタマイズが容易な CMS が、日本で一定のシェアを取れるかどうかですが、そもそも日本人は人の真似をすることが多いので、特定のものにシェアが偏りやすい傾向があるのですが、その上に日本語の壁があり日本語の情報がある程度はないといけないという厳しさがあります。
Umbraco も、Drupal の代用になるカスタマイズが容易で大規模なサイトを構築できる CMS です。それでは、Umbraco が日本で離陸できるかといわれると相当困難だといわざるを得ないと思います。WordPress のように日本語で簡単に情報が得られる状態にするのは不可能に近いと思っています。ただ、Umbraco や Drupal のようなタイプの CMS が殆ど使われていない現状もかなり異常な状態であると思っています。それに、Umbraco は、使ってみて気に入っている CMS なので、これからも可能な範囲で長期的にサポートしていこうと思っています。