Webアプリを創る

WebMatrix Beta で遊んでみました

2010年7月18日

Microsoft WebMatrix は、IIS Developer Express、ASP.NET(ビューエンジン”Razor”)、SQL Server Compact 4.0 を含んだ統合的なウェブ開発ツールで、7月6日にベーター版が公開されたので少し遊んでみました。

インストールについて

インストールは、Web Platform Installer 3.0 Beta を利用します。WebMatrix はワンクリックでインストールすることができます。Windows XP 以降のすべての機種に対応しており、XP Home Edition や Windows 7 Starter にもインストールすることができます。

IIS Developer Express について

Visual Studio に付属する ASP.NET 開発サーバの手軽さと、IIS 7.x のパワーと機能が備わった開発用の Web サーバーだそうです。今後、Visual Studio に付属する ASP.NET 開発サーバーに代わって開発用サーバーとして利用されると思われます。IIS Developer Express も、Windows XP 以降のすべての機種に対応しており、機能制限が厳しい上に今となっては機能的にも劣る IIS 5.1がインストールされている XP Professional や IIS がそもそも添付されていない XP Home や Vista Home Basic では、開発者にはかなりのメリットがあると思います。自宅サーバーとして使用できるかどうかですが、IIS Developer Express FAQ によると、 設定をすれば外部接続は可能なようですが、設定方法はよくわかりません。Microsoft が、インターネットでWeb サーバーとして利用できるとはっきりということはないと思うので、正式版が公表された時にテストしてみたいと思っています。

Razor について

ASP.NET MVC で利用するビューエンジンで、現在のようにコードを<% %>で囲む代わりに先頭に@をつけるだけでよく便利になりそうです。詳しくは、ScottGu’s Blog の Introducing “Razor” (日本語の翻訳)をみてください。

SQL Server Compact 4.0 について

SQL Server Compact 4.0 (SQL CE 4.0)は、データベースサーバーのインストールが不要なファイルベースのデータベースエンジンで、ファイルコピーで簡単に使えるデータベースです。管理者権限がなくても利用することができます。SQL CE の 3.5 までは、サーバーのインストールが必要であり、そのインストールには管理者権限が必要であったことなど使い勝手がよくなかったので、あまり利用されていませんでした。今回のバージョンでは、これらの問題点が改善され、レンタルサーバーでも簡単に利用できるようになっています。

mojoPortal では、早速 SQL CE 4.0 に対応しています。 SQL CE 4.0 を、ファイルベースのデータベースとして最もよく使われている SQLite を比較すると、SQL CE 4.0 には、Midium Trust で動作することと、上位の SQL Server への移行が容易であるというメリットがあります。一方で、SQLite は、Linux でも動作するという優位性があります。

WebMatrix について

WebMatrix は、IIS Developer Express、ASP.NET "Razor"、SQL CE に Web Gallary 等のの機能を追加し、ウェブサイトを構築・管理するための軽量ツールです。下の図のようにソースコードの編集機能もありますが、インテリセンスの機能はまだついていません。

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Template からのサイトの作成をしてみると Razor で記述されている .cshtml ファイルが作成されます。作成したサイトをどこで公開できるのかということで、とりあえずは SP.NET 4.0 に対応したサーバーであればいいということのようなので、ExpressWeb で公開してみました。一応公開はできた(WebMatrix で作成したサイト)のですが、WebMatrix 上ではURL に .cshtml の拡張子をつけなくても動作するのですが、ExpressWeb では動作しないので、リンクに .cshtml の拡張子をつけました。ExpressWeb は、まだ WebMatrix 対応になっていないのかもしれません。

WebMatrix に含まれる IIS Developer Express、ASP.NET "Razor"、SQL CE 4.0 については、方向性もよくわかり、将来的にも利用される技術だということがよく理解できたのですが、WebMatrix の方は、今後どのように利用されていくのかが明確でないように思います。過去の WebMatrix と同じようにすぐに消滅しないためには、新たなユーザーを引きつける魅力がもう少し必要だと思います。

Windows レンタルサーバー ExpressWeb を使っています

2010年7月9日

このウェブサイトのサーバーには、ActiveWebを使っていますが、Win2008-1Gなのでデータベースの容量が100MBしかなく、余裕がなくなってきたので、どうしようかと思って調べていると、Windows のホスティングで ExpressWeb が年額なんと3150円で、ストレージの容量が 30GB、SQL Server DB が 3 個でデータ領域の容量が300MB、MySQL も 3 個と十分なスペックを持っていて、なおかつ ASP.NET 4.0 にも対応しているのに気がついて、ExpressWebと契約をしました。Windows のホスティングの料金も安くなったものです。

ExpressWeb はオンラインで申し込みをすると20分ほどでサーバーの設定の完了の通知が来ました。ASP.NET 4.0 に対応しているということなので、早速Umbraco を仮想ディレクトリにインストールしてみました。途中でエラーも発生しましたが最終的にはRunway もインストールすることができました。こちらがExpressWebのレポートで、こちらがRunwayをインストールしたサイトです。

ところで、ActiveWeb と ExpressWeb は同じ会社が運営しています。ActiveWebが今後どいういう位置づけになるのかも気になるところです。

Web Platform Installer 3.0 Beta が公開されています

2010年7月8日

Web Paltform Installer 3.0 Beta では、Webアプリの作成と運用に必要なツールをパッケージ化した「WebMatrix」のBeta 版をインストールすることができます。WebMatrix は、IIS Developer Express、ASP.NET、SQL Server Compact から構成されているそうです。

WebMatrixを起動させると以下のような画面が立ち上がります。

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Web Gallery からを選択すると以下の画面になります。

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Template からの作成を選択すると以下の画面が立ち上がります。

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こう見てみると WebMatrix は、Windows XP には最適のツールのようです。Windows XP に付属する IIS 5.1 は、IIS 7.5 と比較すると機能的には相当劣っていますが、これで Windows XP でも、最新のIIS の機能が使用できるようになるので、XP の寿命がまた延びたようです。

WebMatrix について、IIS が利用できない Windows 7 Starter や XP Home Basic で動作するのか、開発用だけでなく自宅サーバーにも使用できるのかどうか等についても詳しく調べて後日報告したいと思います。

Umbraco 4.5 が公開されています

2010年6月25日

Umbraco 4.1 として開発されていたバージョンが、Umbraco 4.5 としてリリース版として公開され、CodePlex のページからダウンロードできるようになっています。ただし、詳細については後からということで、ASP.NET 4.0 用のバイナリーファイルのみが公開されています。

実際にインストールしてみると、今回のバージョンでは、リリース版だということなので問題なく動作し、Runway についてもインストールすることができました。動作についても、軽快になっています。

Umbraco 4.5 での主要な改善点は、以下のとおりだそうです。ホスティングサーバーを利用する立場からは、Medium Trust + 仮想ディレクトリのサポートが大きい改善点になります。

  • パフォーマンスの向上(約40%)
  • Datalayer の100を超える Unit Test
  • DB スキーマの更新
  • データタイプに Improved Media Picker、Image Cropper、Macro Container を新規追加
  • 新規 XML スキーマ
  • ヘルプボタン
  • プレビュー
  • Tree の改善
  • スペルチェッカー
  • Linq2Umbraco
  • DLR (Ruby python jScript)のサポート
  • Medium Trust + 仮想ディレクトリのサポート

※追加(2010/6/27)
エクスプローラで解凍すると一部のファイルがブロックされて管理画面でツリーが空白なるという問題は4.5 でも残っているようです。エクスプローラ以外の解凍ツールを使用するか、エクスプローラの場合でもプロパティで「ブロックの解除」ボタンをクリックしてから「展開」するといいようです。

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Umbraco 4.1 RC が動作しました

2010年6月21日

前回のブログUmbraco 4.1 RC が動作しないということを書きましたが、Umbraco のフォーラムのトピック 「all trees empty」 に、その解決法が投稿されたので、やっと動作させることができました。

動作しなかった原因は、Windows の機能を使ってダウンロードしたファイルを解凍すると、解凍の処理が管理者権限でない権限で動作するため、ファイルの一部が解凍されないままになるためということです。そのため、別の解凍ソフトを使用するといいということでした。

現在もバグフィックスがさかんに行われているので、最新のナイトリービルド(.NET 4.0 用のビルド)をhttp://nightly.umbraco.org/umbraco%204.1/4.1 からダウンロードして、7-Zip で解凍すると、動作させることができました。仮想ディレクトリにインストールした場合も動作させることができたので、これから本格的に Umbraco を試してみようと思っています。なお、Runway を新規インストールしようとするとエラーになるというのは、まだ解消していません。